抗がん剤に見る新薬の必要性

がん治療などでは抗がん剤を使用した薬物療法が実施されることがしばしばありますが、当初は腫瘍細胞を制御できていても次第に効果が弱まっていく現象が観察されるようになります。

これは抗がん剤の作用を生き抜いた腫瘍細胞が、薬に対して耐性を獲得したことを意味する訳です。
結局はこの耐性獲得と別の薬の使用の繰り返しになるので、従来の抗がん剤では治療の策が尽きることになるのです。

このような事態でも新薬があれば、別の作用機序を持っているので、まだ治療を続けることが可能になると言うことになります。
その意味でがん治療では、新薬がその後の生命を左右する側面を持っています。

しかし御存知のように日本では、医療現場で使用できるように厚生労働大臣の承認を受けるためには、長時間を必要としています。
外国ではすでに標準治療に使用されている薬も、日本国内では政府の承認を受けていない薬と言えば枚挙に暇がないほどです。

人の生命に関わる事態も有り得るにも関わらず、どうして新薬の承認を受けるのが煩雑で長時間必要な手続きを踏まなければならないのでしょうか。

三段階にわたる「治験」を行いデータを収集する作業が必要

この点の問題は三段階にわたる「治験」を行いデータを収集する作業が前提とされているからです。
そもそも新しい薬の候補になりそうな成分が開発されたら、まず人間に投与しても問題がないのか有害性の有無を検証する必要があります。

動物実験では安全性が確認されていても、実際に人間に投与してみると有害な可能性は否定できないからです。
この人体への安全性を確認するのが第一段階の治験になります。

この段階では病気への効能ではなく、投与した際の安全性を確認することを目的に行われるので、自発的に参加した一般の健常人を対象に行われます。

1泊2日で行われのが通常で、偽薬効果を回避するために、被験者には偽薬か否かは知らされることはありません。
ボランティアの体を取ってはいますが、1日あたり15000-2万円程度の報酬が支払われることになります。

新薬登場まで長時間必要になる

第一段階で有効性が確認されたら、少数の患者に対して投与を行う第二段階の治験に移行します。
この段階でも安全性の確認が主になります。

ここで安全性や有効性などのデータの裏付けが取れると比較的多数の患者を対象にした第三段階の治験に移行します。
最終段階では有効な投与限界量なども調査の対象にされ、かなり通常の治療のイメージに近づきます。

このような治験を経て漸く厚生労働大臣の承認を申請できる段階になります。
これらの治験などを含めると数年程度を酔うする結果、新薬登場まで長時間必要になると言うわけです。

 

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